御宿町の保健センター(御宿町須賀)で7月7日、三育学院大(大多喜町久我原)看護学部の生徒5人が同町と近隣地域で保健・福祉関係の仕事に従事する人や同町民生委員などを招き、実習の活動報告などを行った。
三育学院大は、知育、徳育、体育の3つをバランスよく育てることを理念に据え、全国に幼稚園から大学まで20の教育機関を設置している。三育学院短期大看護学科が4年制大学に移行し、2008年4月に開校した。
同大の看護学部の小高希鈴さん、熊谷奈々さん、下條香恵さん、湯浅亜由奈さんら5人の学生が3週間、御宿町保健福祉課で公衆衛生看護学実習を行った。
同実習の一環として、5人の学生はグループに分かれて同町を観察しながら歩いて回り、「御宿町のいいところはなにか」「どんな町になってほしいか」「どのような近所付き合いをしているか」「自分の健康で気になるところはあるか」など6つの質問を中心に地域住民にインタビューを行った。そこで得た情報をもとに、保健師の観点から同町の地域づくりの提案を行った。
今回の実習を踏まえて学生は保健師の観点から2つの提案内容を発表。1つ目は「災害に強い町づくり」とし、ケアマネジャーや小中学校の職員、消防署の職員やコミュニティーカフェのスタッフなどを中心に住民同士の話し合いの場を設け、その話し合いをもとに救出マップを作成するという案が出た。2つ目は「高齢者が元気に生活できる町づくり」とし、住民や観光協会職員などが意見を出し合い、「ウォーキングロードマップ」を作成し、1日8000歩歩くことを目標とする「目指せ、8000歩作戦!」を行うという案が発表された。
保健師を目指している下條さんは「もともと看護師の勉強をしていたが、病院に入る前の『人の健康づくり』に興味があり、地域の人たちの健康を守る役割を担いたいと思い保健師を目指すようになった。地域住民と一緒に地域の健康をつくっていける保健師になりたい」と意気込む。
下條さんと同じく保健師を目指している小高さんは「各地区を回って住民にインタビューをする実習では、実際に住民の方々と話してみてコミュニケーションの取り方が難しく、悩んだこともあったが、町民の方々が本当に温かくて『頑張ろう』という気持ちにつながった」と笑顔で話す。