昆虫を捕まえ調理して食べるイベント「昆虫を採って食べる会 in御宿~バッタ会~」が10月13日、御宿の交流スペース「サイカス」(御宿町御宿台)で開催された。
参加者全員で昆虫の採集・調理・実食を行う同イベント。サイカス代表の三次恵美子さんと鴨川を拠点に活動するサバイバル食研究家の永野太郎(永井弘朗)さんが共同で開き、2回目の開催。この日は県内外から11人が参加した。
前回は「昆虫を採って食べる会 in御宿~セミ会~」と題し、ジョロウグモやコガネグモ、アブラゼミ、ミンミンゼミ、ヒグラシ、ツクツクボウシ、ナナフシなどを集めて実食した。
永野さんは「秋に一番おいしい虫ということもあるが、食文化として日本でも郷土食としてイナゴの佃煮は有名であるし、世界的にもバッタはさまざまな料理に使われている。同じ昆虫で日本と世界とそれぞれの食べ方が出来るのであれば、そこはゲテモノではなくグローバルキッチンになりえるのではないか?とひらめき、今回の食材に選んだ」と話す。
当日は、同町上布施の畑を中心に昆虫採集を行った。昆虫のメインターゲットはバッタ。そのほかにも絶滅危惧や有毒の種以外の昆虫を採集した。
参加者は約2時間昆虫採集を行い、コバネイナゴ、トノサマバッタ、オンブバッタ、ツチイナゴ、ヒナバッタ、ショウリョウバッタ、クビキリギリス、ツユムシなどを集めた。
今回のメニューは、素揚げ、かき揚げ、つくだ煮、乾燥させたバッタの粉を生地に練り込んだ「バッタニョッキのペペロンチーノ」、イナゴのダシがベースのソースを使った「バッタのオレキエッテのトマトソース」などを用意したほか、御宿町内で狩って解体をしたイノシシとキョンの肉も並んだ。
永野さんは「前回のセミを捕まえるイベント同様、捕れる数が果たしてどれくらいかが心配でならなかった。今の時期、田んぼの多くは稲刈りを終え、農薬や除草剤をまくところが多く、雨の影響で土地に薬物は定着することはなくとも、虫には強く影響を与える。今回はそうした影響がほとんどない場所での虫捕りができたのは幸運だった」と振り返る。「次回は果樹園農家さんや椎茸農家さんと共にやる農業害虫を考えることをテーマとして、カミキリムシの幼虫を食べることを考えている」と意気込む。
三次さんは「一口にバッタと言っても、種によって行動特性が異なり、それに合わせて捕獲方法を変える必要があるというのは新鮮だった。近隣の農園で特別に許可をいただき、昆虫採集を行ったが、バッタ類のほか、カエルなどの多様な生物がいて、参加者全員が2時間弱もの間、夢中になって採集した。普段素通りするような場所も、目的を持って採集するととても魅力的なフィールドに一変するのが毎回面白く感じる」と話す。「冬には朽ち木の幼虫を採集して調理する会を計画中。昆虫ではないが、外来魚や海藻、海の生き物を採集して調理する会も、必要な許可を得た上で開催できればと思っている」と意気込む。