御宿町実谷(じっこく)の「日本・メキシコ友好の花畑」で現在、皇帝ダリアと皇帝ヒマワリ約1000本が咲き始め、30日まで無料で一般公開している。
順調に咲いているのはメキシコ原産の薄紫色の皇帝ダリアと黄色の皇帝ヒマワリ。皇帝ヒマワリは大きいもので高さ約4~5メートルほどまで育っている。花を育てているのは、御宿町でまちづくりに取り組む「御宿ネットワーク」のメンバーで、同町で土産物店「シーガル」(御宿町浜)を経営する内山浩さん。花は知人に紹介してもらったもので、メキシコ原産だったことから育てることを決めた。
同町は、1609年9月に御宿沖で起きた海難事故で、メキシコに向け航海中だったスペインのガレオン船「サン・フランシスコ号」が座礁した際、乗組員317人を地元漁民が救助した史実にちなんで、1978(昭和53)年にメキシコのアカプルコ市と姉妹都市協定を結んでいる。2013年にはメキシコ中部のテカマチャルコ市とも姉妹都市協定を締結した。
内山さんが初めに皇帝ダリアと皇帝ヒマワリを育てたのは2011年。当時は同町新町地区にある約200坪の土地から始めた。2012年・2013年にも上手に育て上げたことから、もっと広い場所を求めて実谷エリアにある1000坪の土地で新しく育てることを決めたが、粘土層で非常に土壌が悪く、苦労した。水田から畑に変えた土地で、土が固まってしまう。最初は手作業で土づくりをしていたが、トラクターや畝立て機などを利用してやっとうまくいったという。
内山さんは「一番苦労したのは土壌改良。どのタイミングでトラクターをかけるとうまくいくのか、というのが難しかった。周りの人からは『草との戦いが大変』とずっと言われていた。7月までは頑張って草刈りをしていたが、戦いに敗れて刈ることをやめた。今年の夏は猛暑が続き、水もあげなかったが、伸びた草が蒸発を防ぎ、花はうまく育った。『草との戦いが大変』と言われてきたが、『草との共生』が大切なんだと気付いた」と振り返る。
今後については「9月・10月に咲くハイブリット種のダリアに取り組みたい。今回、コスモスを撒く時期が早く、一緒に咲かなかったので、来年はコスモスも一緒に見てもらえたら」と意気込む。
一般公開は30日まで。公開時間は10時~16時。問い合わせは内山さん(TEL 090-2568-5687)まで。