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一宮・釣ヶ崎海岸でアカウミガメがふ化 地元環境団体が見守り続ける

ウミガメの産卵場所には目印と保護を兼ねて柵が設置される

ウミガメの産卵場所には目印と保護を兼ねて柵が設置される

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 5月に産卵されたアカウミガメの卵が7月26日、釣ヶ崎海岸で今年初めてふ化し、子ガメが海に旅立った。

「一宮ウミガメを見守る会」の渡部会長

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 今回観察されたのは、5月24日に産卵のあった場所。5月24日の産卵は、2009(平成21)年からの15年間の記録の中で最も早い時期の産卵で、最も早い子ガメの誕生となった。現在、一宮海岸や東浪見海岸などで15カ所の産卵巣が確認されている。

 「一宮ウミガメを見守る会」は2012(平成24)年、一宮の海岸に来るアカウミガメが今後も産卵できるような自然環境を守るために観察や調査活動を行うことを目的に設立。以後、産卵時期の海辺の観察を行い、記録を続けている。会で記録した情報はNPO法人「日本ウミガメ協議会」へ報告し、日本のウミガメ保全における貴重なデータとなっている。

 一宮の海岸ではサーフィンが盛んだが、サーフィンとウミガメの共存を目指す動きも盛ん。会発足当時からのメンバーである渡部明美会長は「サーフィン好きの人は自然に興味を持つ人が多い。ごみも拾うし、アカウミガメの見守りに対する理解も深い。共存できている感覚がある」と話す。同町内にある「パタゴニアサーフ千葉店」ではウミガメに関するコーナーを設け、店を訪れる客に情報を提供している。2021年の東京オリンピックサーフィン競技会場では競技エリア内の上陸を確認するため、会場警備員が見回って歩いたという。

 「今まで興味を示すことのなかった地元の人たちも、囲いから小亀が出てくるのを見ると協力してくれるようになった。 最近では自由研究や卒業論文の研究で高校生や大学生が会に相談が来ることもある」とも。
 渡部さんは「若い世代にもっと携わってほしい。町内の学校でウミガメについて学んでもらう機会を設けるなど一宮町の大切な財産として認知が広まったらうれしい」と期待する。

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