
いすみのスーパー「スーパーランドいすみ店」(いすみ市弥正)で7月8日、移動スーパー「とくし丸」の出発式が行われた。
「スーパーランドいすみ店」では珍しい商品の仕入れにも力を入れている
同店を経営する「おおたや」は1914(大正3)年、御宿町で酒や食料品を販売する「おおたや」として創業。石材加工販売やガソリンスタンド店などを経て、1970(昭和45)年に「スーパーおおたや久保店」を、1996(平成8)年に「スーパーランドいすみ店」を、それぞれ開業した。
波多野雅記店長は「旧夷隅町エリアに密着し、楽しく、喜ばれるスーパーを目指し取り組んできた。長年、利用してくれた人の中には高齢に伴い来店が困難となった人もいる。これまで当店を育て愛してくれた人へ恩返しができたらと考えた」と話す。
移動スーパー「とくし丸」は、2012(平成24)年に徳島県で始まった事業。軽トラックの荷台に商品を積み、契約者の玄関先まで出向き販売する。冷蔵庫も搭載しており、生鮮品から日用品まで400品目、約1200アイテムを積むことができる。現在、47都道府県でおよそ1200台が運行。定期的に自宅を訪問するため、見守りの役割も果たす。
出発式には太田洋いすみ市長のほか、同市高齢者支援課の職員、いすみ警察署職員も出席。 同店では、いすみ市「高齢者見守りネットワーク事業」、いすみ警察署「地域安全に関する協定」に参加し、いざという時に地域と連携できる体制を整えた。太田市長は「地域の見守りを一緒に進めていけたら」とあいさつした。
販売担当の矢野廣さんは「全国の買い物難民を救うという『とくし丸』創業者の志に感銘を受け決意した。利用者一人一人に寄り添った販売ができたら」と決意を述べた。訪問は週2回で、1日35軒~40軒を回る。既に150軒が加入している。初日は、波多野店長も同乗し、いすみ市松丸から古沢エリアを中心に訪問した。
波多野店長は「来店が困難になった人の元を直接訪れることで、買い物の楽しみを届けていきたい。当店では仕入れにも力を入れており、珍しい商品なども多くそろえている。そうした商品も届けていけたら」と意気込む。