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いすみへ移住し新規就農した米農家「結農園」 食味コンクールで優良賞受賞

結農園の関谷啓太郎さんと早紀さん。2人とも非農家出身

結農園の関谷啓太郎さんと早紀さん。2人とも非農家出身

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 いすみ市に移住し新規就農した米農家「結農園」(いすみ市大野)が11月20日、「いすみ米食味コンクール」で優良賞を受賞した。

早紀さんが作る和菓子。イベント限定で販売している

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 JAいすみが主催する同コンクール。多古米、長狭米と並び千葉県の三大銘柄米である「いすみ米」のおいしさを評価するもので、毎年新米の収穫が終わる秋に開催している。今年は484点が出品。同農園は上位6点に選ばれた。

 同園の関谷啓太郎と早紀さんは共に非農家出身。2015(平成27)年に同市に移住し、地元農業生産法人に勤めながら農地を探し、2016(平成28)年に独立した。「無理なくできる規模から」と考え小さな面積から始めたが、高齢化の影響もあり年々任される水田が増加。現在は5町歩5反を耕作している。

 米作りの傍ら、早紀さんは「甘すぎないおいしい和菓子が食べたい」との思いから、独学で勉強し、和菓子の出張販売を開始。旬の野菜や果物、自家製餡(あん)を使い、見た目にもこだわったところ、「かわいい和菓子」と評判になり、出張販売するとすぐに売り切れるようになった。「和菓子の購入やマルシェでの出会いをきっかけに、米を定期購入してくれるようになった人が多い。米は、値段や品種だけでは差別化が難しいが、このようなつながりが米作りを支えてくれている」と話す。

 啓太郎さんは「今回、多くの地元農家の米が出品されている中、受賞できてうれしい。現在の農家は70代が中心で若手がほとんどいない。いすみ市大野地区の農家で40代は自分一人。あと5年もすると辞めてしまう人も多くなる。田んぼを引き受けてほしいという依頼も多く、来年はさらに増える予定」と話す。

 「規模を大きくすると、その分、機械が必要になり設備投資に迫られる。今は規模の拡大よりも、自分のように稲作を志す人に来てもらい、独立し、田んぼを担ってほしいと考えている。自分たちは実家が農家ではなく、地縁もない場所で一から農家を始めた。今まで自分たちがやってきたことが、これから稲作をやってみたい人の手助けになるよう、伝えていきたい」とも。

 今年の米は予約で既に完売。来夏以降、新規の予約を受け付ける。

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