御宿町の小波月(こはづき)海岸で5月15日、御宿小学校の全校児童が「磯観察会」を行った。
「故郷を誇りに思う気持ちを育てる」「自然の豊かさを体感する」ことを目的に、毎年5月中旬に学校行事の一環として行っている同取り組み。毎年、同町商工会青年部のメンバーが事前のゴミ拾いや観察中の見守り・警備を担当している。
児童たちはライフジャケットと運動靴、軍手を着用し、同行した教師や保護者、同会青年部、同町のNPO職員など地域の人たちと共に磯観察を楽しんだ。公益財団法人「海洋生物環境研究所」(御宿町岩和田)の職員も同行し、児童が見つけたアメフラシやクサフグ、シタビラメ、タコやヤドカリなど約20種類の生物について解説を行った。
参加した同会青年部OBの貝塚優一さんは「東日本大震災があった年は学校としては開催を中止したが、続けることに意味があると思い、避難経路の確認・確保をしたり安全のための警護を念入りに行ったりして商工会青年部が主催した」と話す。「最初は付き添いで参加する保護者はほとんどおらず、青年部のメンバーだけだった。だんだんと取り組みが浸透し、最近はかなり増えた」とも。
同震災の翌年からは再び学校行事として同取り組みを行っている。
同会青年部部長の藤井宏典さんは「毎年、子どもたちの安全を第一に監視体制を敷いている。うるさく言うだけではなく、子どもたちが楽しめる範囲の注意を払いながら警備をしている。今までにないくらいの最高の天候で、良い磯観察だった」と笑顔を見せていた。