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御宿で「昆虫を採って食べる会」 採集から調理、実食までを体験

ショウリョウバッタの冷製パスタ(昆虫料理のイメージ)

ショウリョウバッタの冷製パスタ(昆虫料理のイメージ)

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 御宿の交流スペース「サイカス」(御宿町御宿台)で8月18日、昆虫を捕まえて調理し食べるイベント「昆虫を採って食べる会in御宿~セミ編~」が開催される。

香味油で揚げたセミ野草サラダ

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 鴨川市を拠点に活動するサバイバル食研究家の永野太郎(永井弘朗)さんを招き、御宿町内で、参加者全員でセミをメインに採集して調理・実食を行う同イベント。「サイカス」代表の三次恵美子さんと永野さんが共同で開く。

 同イベントは、昆虫採集から調理して食すまでを体験することで、食と命のつながりについて考えるきっかけとしてもらうことを目的としており、今回初開催する。

 三次さんは「学生時代に東南アジアのラオスに滞在したことがあり、その多様な食材に支えられた豊かな食文化に感銘を受けた。その食材の中には昆虫も含まれており、中にはその素晴らしい風味から高級食材になったり、養殖対象となったりする種もいた。そのような経験から昆虫食に興味を持つようになった」と話す。「畜産業が環境に与える負荷が課題となっている昨今、環境負荷の少なく、良質なタンパク源となる昆虫食には注目が集まっている。まだまだ昆虫食へのなじみが薄い日本でも、昆虫食を体験できるような機会をつくっていけたらと、ずっと考えていた」とも。

 当日は、メキシコ記念塔の散策路で昆虫を採集し、交流スペース「サイカス」で昆虫食について永野さんから講義を受けた後、実際に調理を行い実食する。その後、時間のある人は同町内の里山で夜の昆虫採集を行う。昆虫のメインターゲットは、アブラゼミ、ミンミンゼミ、ヒグラシ、ニイニイゼミ、ツクツクボウシなどのセミのほか、農業害虫であるカメムシ、桜の葉を食べてしまうサクラコガネなど絶滅危惧種や有毒の種以外の昆虫を食べる予定。

 永野さんは「農業害虫は作物をつくるうえで絶対に問題になる。それらがおいしく食べられるのであれば、世界の食糧生産率は飛躍的に上がる。その一歩をワークショップとして楽しく踏み出せれば」と話す。

 三次さんは「自然好きの方、昆虫に興味のある方はもちろん、未来の食について考えたい方や御宿の自然を満喫したい方にぜひ参加してほしい。御宿の自然の中で、みんなで昆虫を採集して、調理して、食べて、楽しみましょう」と参加を呼び掛ける。

 「スーパーや店に行けば簡単に食べ物が買える今の時代。その食べ物がどうやって生まれているか、その野菜がどう作られているかを知らないまま食べている人も多いと思う。どんな生き物も大地から生まれ、食べられることで循環している。昆虫食はそうした生き物が食べ物に変わる瞬間を味わう教材としては、今の私たちに足りない感覚を呼び覚ましてくれる。『命を頂く』とはどういうことか、食べることの本質にワークショップを通して皆さんがどう感じるか。それが楽しみ」と永野さん。

 開催時間は13時30分~19時(時間のある人は21時ごろまで)。持ち物は、虫取り網・虫かご・ヘッドライト。服装は、長袖、長ズボン、トレッキングができる靴。参加費は2,000円。定員は15人。参加申し込みは同スペース代表の三次さん(TEL 050-5328-3909)まで。

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