シビックプライドセミナー「オンリーワンの価値を目指して」が2月18日、勝浦市芸術文化交流センター「Kuste(キュステ)」(勝浦市沢倉)で行われ、移住者ら3人が外からの目線で見た勝浦の魅力を語った。
主催は勝浦市観光協会。勝浦市内外から地元住民、移住者問わず500人を超える聴講者が集まった。セミナーは2部で構成。
1部では、コロナ禍を機に勝浦へ移住し鵜原海岸で塩の精製を始めた「勝浦塩製作研究所」の田井智之さん、市内出身で都内での起業を経てUターン、実家の農業を承継しハーブやイタリアン野菜など多品種栽培に挑戦している「勝浦ファーマー」の川崎基(もとい)さん、
都内で製造会社役員を経て、サーフィンで縁のあった同市に移住しクラフトビール醸造所「THRILLER BEACH BREWERY」を立ち上げた笠倉大二郎さんの3人が登壇。
それぞれが勝浦と関わったきっかけや、勝浦で立ち上げた事業について話したほか、事業を通じて見てきた勝浦の魅力について発表した。
2部はパネルディスカッションを展開。パネリストは、1部で登壇した3人に、照川由美子勝浦市長、地域情報誌「いすむすび」編集長で一級建築士の堀口智子さんが加わった。コーディネーターは、政府から出向している勝浦市政策統括監の加藤正倫さんが務めた。
照川市長が、ミヤタナゴやカニ、カントウタンポポの生態を例に挙げ「かけがえのない」自然環境について紹介すると、堀口さんは建築家の目から見た勝浦市内の物件が持つ歴史的な価値を紹介。
笠倉さんの醸造で生じた「麦芽の搾りかす」を川崎さんの畑で土に返す取り組みや、海水から塩作りをしている田井さんのビーチクリーン活動など環境にも話が及んだ。
勝浦の未来に向け、それぞれのアプローチで考えていくこと、一人一人がつながり活動していくことの大切さなどが論じられた。
参加した70代男性は「外から来た人たちが、自分たちが当たり前だと感じていた勝浦の自然や人を褒めてくれた。そういう見方があるのかと感心させられた」と感想を話していた。