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安士養蜂園のミツバチ、地域住人に支えられいすみで越冬 秋田に帰る

巣箱の中の板にびっしり貼り付く巣蜜(画像提供=安士養蜂園)

巣箱の中の板にびっしり貼り付く巣蜜(画像提供=安士養蜂園)

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 安士養蜂園(秋田県横手市)のミツバチが、越冬のため過ごしたいすみ市から4月下旬、秋田に帰る。

(左から)安士養蜂園の安士さん、安士さんの養蜂の師匠である遠藤さん、安士養蜂園に蜂場を提供している三上さん

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 安士養蜂園は代表の安士章さんの先代が戦時中に秋田県内で創業した。安士さんの父親が出兵している間は母親が自転車で養蜂を学びながら運営していたという。

 安士さんは生まれた時からミツバチに囲まれて過ごしてきた。「養蜂業に従事するのは自然の成り行きだった。秋田と千葉を行き来して約50年になる」と話す。

 秋田の冬は積雪が深く2メートル以上になる。過酷な環境はミツバチにも厳しく、その場で越冬するとミツバチの数が半減してしまうことから、冬期は暖かな場所で過ごすことになったという。

 最初は知り合いの紹介から大多喜町で越冬を始めた。そこから巣箱を置く蜂場を徐々に増やしていき、最終的にいすみ市に落ち着いた。現在、同市を中心に、勝浦市、御宿町など12カ所で約700箱の巣箱を管理する。

 同市で蜂場を提供している三上範久さんとの出会いは、三上さんの親が安士さんに蜂場を提供したことに始まる。三上さんは5年前、都内から、いすみの実家へUターン。安士さん親子が養蜂に取り組む姿に刺激を受け、自ら安士さんに養蜂を教えてほしいと志願した。

 三上さんは「養蜂は奥が深い。自分には普通に飛んでいるように見えるハチが、安士さんの目から見ると寄生虫にかかっているハチの動きだとすぐに分かる」という。

 安士養蜂園のハチミツは通信販売の他、同市内の農産物直売所「なのはな」や「味まんてんの園」でも扱う。

 安士さんは「自然はいつも同じではないので、常に先を予測して行動することが大事。今年は寒い日が多く、ハチも大変だったが、今の状態がベスト。現状を維持しながらも新しいものに取り組んで、いいものを提供していきたい」意気込む。

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