御宿町の新町(しんまち)付近を流れる裾無(すそなし)川で5月15日、実験的に「フルボ酸鉄」を川に入れ、ヘドロを減少させる取り組みが始まった。
NPO法人「森は海の恋人」の理事長・畠山重篤さんが昨年11月、御宿町内で「外房・御宿の地域資源活用シンポジウム」と題して講演を行ったことがきっかけで新たに立ち上がった同取り組み。
森で地上に落ちた葉や枝が微生物によって分解されるときにフルボ酸ができ、これが腐植土の中の鉄と結合したものがフルボ酸鉄。森でフルボ酸と結び付いた鉄イオンはフルボ酸鉄として鉄イオンのまま川を下り海へ運ばれる。そこで植物プランクトンや海藻が養分を取り込めるように働くのがフルボ酸鉄だという。このフルボ酸鉄が川や海のプランクトンの増殖を助け、ヘドロなどの減少や消臭効果につながるという。
当日は同川50メートルほどの距離に5メートルおきにフルボ酸鉄が入った袋を配置する作業を行った。
同町建設環境課の職員は「毎年裾無川沿いの草刈りをするが、草が伸びてしまうとゴミのポイ捨てが非常に多い。今回の取り組みをアピールしながら、ポイ捨て防止啓発活動も行っていければ」と話す。「魚などの生物が帰ってきて、みんなが散歩をしながら水に親しめるような環境にしていきたい」とも。
今後については1~2年かけて様子を見ながら決めていく。