手づくり甲冑(かっちゅう)のアトリエ「宇城の館(うしろのやかた)」(大多喜町紙敷)で8月7日、米ミネソタ州ダルース市からの訪問団が手作り甲冑の着付け体験を行った。
手作り甲冑を身に着け武将になりきり記念撮影(写真提供=Yellow)
古民家を改築し2019年、アトリエ兼展示場として開館した同館。同館を拠点に活動する「大多喜城手づくり甲冑隊」は地域住民ら約30人が所属し、2006(平成18)の発足から20年以上にわたり「大多喜お城祭り」など町内外のイベントで甲冑の魅力を発信している。
日本の伝統的な甲冑は鉄などの素材を用いているため非常に重量があるが、同団体はボール紙をベースに甲冑を制作。ボンドや両面テープなどで接合し一領一領を手作りしている。完成度が高く、「まるで本物の甲冑のよう」と驚く人が多いという。軽量のため着衣がしやすいことが特徴。
当日は厳しい暑さの中、ダルース市の中学生11人と引率者2人の訪問団が来訪。トランペットの演奏で出迎え館内を案内した。訪問団員はそれぞれ好みの甲冑を選び、同団体メンバーの手を借りながら着付けを進めた。甲冑を身にまとうと、武将になりきったようにポーズを決めながら撮影を楽しみ、最後に全員で記念撮影を行った。
参加者は「とても格好良い。思っていたよりも軽く驚いた。日本の文化に興味があるのでいい体験になった」と話し、引率した教師は「甲冑だけでなく古民家にも興味がある。この館はとても素晴らしい造りで感動している」と建物をじっくり眺めていた。
同団体メンバーの鈴木啓子さんは「手作り甲冑と古民家を舞台に、日本の歴史や文化に触れ、大多喜に受け継がれる『サムライ文化』が、国境を越えた交流のきっかけとなったのでは」と話す。
同団体メンバーで同館オーナーの君塚さん夫婦は「受け入れのための事前準備も大変で、当日の暑さも心配だったが、甲冑を身につけ武将になりきっていく中で笑顔になっていったのが印象的だった。 甲冑を通じ日本の文化に触れてもらえて大変うれしい」と話す。