地域の食・自然・伝統文化を組み合わせ、持続可能な観光をデザインすることを目指した「いすみ地域プロデューサー実践体験プログラム」が8月30日、大原漁港周辺で開催された。
主催は千葉県建築士会夷隅支部。同支部の荘司和樹さんは「いすみ市の名産品の一つにマダコがある。日本屈指の漁獲高があり、柔らかくて甘く評価も高いが、この価値を知らない人が多い。マダコをきっかけに地域の魅力を改めて考え、未来を切り開いていく価値を創造できる若手人材を育成できたらと考えた」と話す。
同プログラムは、大学生らを対象に今年2月に参加者を募集。試食会や販売体験を行い、今回は地域資源を組み合わせた「ガストロノミーツアー」の開催を目指し、モニターツアーを行った。
当日は、地域活動に興味のある学生のほか、タコの研究をしている学生など5人が参加。2月から定期的に参加している学生も多かった。大原海水浴場周辺のサイクリングロード、港の朝市の見学、釣り船乗車体験などを行い、昼食には「タコ飯」の食べ比べを行った。事務局を担うENEOSニューアブル・エナジーの近藤有希さんは「タコ飯は、家庭ごとに味つけが違う。港の朝市の出店者でも店ごとに違う味が楽しめる」と話す。
午後はマダコの下処理を体験。荘司さんは「地元漁師は、内臓を取り除くなどの下処理を包丁を使わずに手作業で行っている。専用の洗濯機に入れ、ぬめりを取るなど、さまざまな工夫がある」と話す。実際にマダコを触り体験した学生から、「触ってみると想像以上にしっかりしていて驚いた」という声が聞かれた。
下処理が終わったマダコは、足の付け根に切り込みを入れ、ゆでた。「足がきれいなカーブになるように少し漬けては出すという動作を繰り返す。ゆで方にもそれぞれの漁師のやり方がある」とも。
ゆでたマダコは皆で試食。ツアーを振り返りながら、今後のに向けて具体的なツアー内容や集客に向けた取り組みなどアイデアを出し合った。
荘司さんは「今までは、朝市の見学、タコゆで体験など、それぞれのコンテンツのみだったが、一日かけて体験することができた。単発で終わってしまうのではなく、大原=タコという認知度をいかに高め、高付加価値な体験として定着させるかが鍵と。回を重ねるごとに、参加者同士仲良くなっている様子もうれしい。今後も都会の大学生と地域を結ぶ取り組みができたら」と期待を込める。
同プログラムは今後、検討会議を重ね、実際のツアーとしての販売を目指す。